「……また宿題?いい加減にしなさいよね、これでついに連続九年目に突入よ?いくら家がすぐ隣にあるからって、さすがに私に頼りすぎよ」
「ほんっとごめん!来年こそは絶対自分でやるから!」
「その台詞も九年間全く変わって無いわね……全くもう、ちょっと待ってて」
階段を駆け上がる音。この音を聞くのもついに九年目か。
「ほら、数学と理科のプリント。現代社会のレポートくらいは自分で書いてね」
「あのさぁ、ちょっと言い難い事があるんだけど……」
「何?あんたまさか社会のレポートまで丸写ししたいとか言い出すわけ?」
「好きだよ」
「私、どうやら夏バテで耳がおかしくなったみたい」
大声で叫んだ。「好きだっ!」
みるみる彼女の顔が赤くなり、ついにうつむいてしまった。
「ちょっと、突然大きな声出さないでよ!私だってあなたの事……す、好き……なんだからっ」
「そりゃ嬉しいや。じゃあ社会のレポート見せてよ」
「それとこれとは話が違うでしょ、ばかあっ!」
もうすぐ夏休みもおしまいだ。青空が綺麗だなあ。ついでに彼女も。
そういえば夏休みの宿題やるどころか何の教科から何の宿題を出されたのかまで完璧に忘れてました。正しい夏休みの過ごし方。